毒壺

本音。 世の中にこれまで生きて思ったことをここに記す。 重要な事から下らない愚痴まで。

吉本興行独立騒動…プロレスブーム終焉に思いを馳せる

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吉本闇営業問題から端を発したと思われるこの騒動。

時代の寵児、と言ってもいいだろう。西野氏の動向で再び注目を集めている。

 

本題の前に少し述べると、彼について「オンラインサロンの宗教化」「捕まってないだけの詐欺師」など散々な言われようだが、基本的に絵は奇麗だし、クラファンでそれだけの資金を集めるということはそれだけカリスマ性があるわけだから好きにやればいいのだと思う。

 

自分の好きにやるというのは、全ての責任が自分に降りかかってくるということ。

 

ある程度年齢がいってしまっている世代には羨ましいことだ。

というのも全て自己責任で自分で全てやる、という発想、習慣がないからだ。

仕事はある団体に所属、帰属して仕事をあたえられ、やり方を自分で工夫しろ、というものだと教えられてきた。

(余程才能に自信がある者だけには起業、という発想はあったが、ほんの一握りだけだった)

自分で仕事を作り出す、ということが出来なかった。

この部分に関しては認めざるを得ないと思う。

 

それはさておき、この吉本独立騒動を見て思い起こすのは平成初期に起こったプロレス団体分裂の騒動だ。

昔、プロレス団体はG馬場氏を長とする全日本プロレス、A猪木氏を長とする新日本プロレスしかなかった。

G馬場氏の死をきっかけに分裂が起こった。

ノア UWFインター リングス SWS…他に多数の地方の小団体。

 

それぞれが個性的で、お笑い要素が多いショー的なプロレスからバーリトゥード的な要素のガチなバウトを売りとしている団体まで多彩だ。

それぞれ自分の理想のプロレスを追求していく、或いはG馬場氏に忠義は尽くした、彼亡き後は団体に帰属している意味がなくなった、というところだろう。

その後の顛末は皆さんがご存じの通り。

プロレスブームは終焉を迎えた。

魅力的なコンテンツのみコアなファンを獲得し生き残っているが、それ以降、世間的に認知されるような社会的なブームは起こっていない。

 

ヤ〇ザな稼業(というかヤ〇ザ自体が運営している)というのもお笑い業界に似ていて同じような運命を辿るのではないのだろうか。

やはり一か所にガッと優秀な人が集っているので社会的なブームが起こる。散り散りになって個々で活動すればひとつひとつのエネルギーは弱まり、強いては業界全体のパワーダウンになるのは自明の理。

 

お笑い自体のブーム、というかプロレスと同様社会的地位を得たものが次第にまた無くなっていくのだろう。昭和のプロレスブームの時のレスラーの認知度からしたら今や…

 

業界の勢いが無くなっていくからこの流れを嘆いているわけではない、寧ろ逆。

ルーキー新一氏の件を知っているだろうか。吉本を独立したら所謂干されて挙げ句餓死した芸人のことを。興味ある人は調べてみてほしい。

 

立派なパワハラ、というか殺人だ。

吉本のあの岡本という人物。あんな人間がいる会社はロクなもんじゃない。あの会見。無能を絵に描いたような問答。体育会系の上司なんて、あんなもんだ。恫喝され頭を空っぽにして無茶なことも言われることだけは忠実に守ってきた結果があのザマだ。

(この前BSで電波少年のT部長を久しぶりに見た。コイツも見るに堪えない言動、ものいいだった。時代錯誤もいいところ。どこかの土方かと思った。ただただ下品、粗野。吐き気がした)

 

歳だけとって偉そうにしていても通らない世の中だ。自分でクリエイティブに仕事を創り出している人間を生意気な若造だからと言ってバカにしてはいけない。

認めるところは認める。

負け(間違い)を認めるところから全ては始まるんじゃないだろうか。

 

彼が今行っていることも時代が判定してくれるだろう。

対価に見合うような仕事であればコアなファン相手に生き残っていくだろうし、ガヤに言われている通り詐欺師だったら全て本人に責任が降りかかり消えていくだけだ。

 

自分の好きなように自由に振る舞える平等、公平な時代。しかし手柄も損害も全て自分に責任が降りかかる怖い時代でもあるのだ。

 

ララァ・スンに言われずとも「人は変わっていくもの」で古い知人・友人は時に厄介だ、気をつけろ!

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知らない人はゴメンだけど、1stガンダムのキャラでアムロとの会話の中で語ったもの。

 

人は変わっていく。いい方にも悪い方にも…

 

若い人はこれから体験するだろう。いや、もう既に経験したかもしれないが、長い年月が経ち、更に久しぶりに再会、近況を知って驚くことがある。

その例がゆきぽよ。若いのにその辛酸をなめているところだろう。詳細は藪の中だが報道を額面通り受け取ってあげれば、やんちゃなワルが好みなんで付き合ったがコカインを使いだすワルになっちゃった、というところか。

 

短い期間でもこのザマだから、長く生きているともっとビックリする大きな変化が起こるよ(笑)

なんか性格悪くなったなー、とか単純に錆びれたなー、元気なくなったなーとか。

風の便りに昔付き合ってた人が落ちぶれた、とか聞くとホント悲しくなる…

 

私自身は背伸びせず、バカにされようと小規模、ささやかな身の丈にあった劇団の運営をしている。

別に出世=人生の勝利者、とは思わない。人間としてちゃんとした佇まい、っていうのかなぁ…偉くはなっていないけどずっと友人でいたい人もいる。

会社・団体ってのは考え方次第だが私は大きくしていくもの、ではなく自然に大きくなっていくもの、だと考えたい。逆に大々的に宣伝とかバンバンやって事業展開して借金しまくって、周りに迷惑かけて、そうまでして劇団の規模にこだわっている嫌~な奴になってしまった知人がいる。

自分の人脈が悪いのか、生き方が悪かったからかなぁ…没落してしまった知人が多い気がする(笑)

 

昔の知り合い、小中学生の時のクラスメイトに会うと一気に昔の自分に戻れる。

それはとても素晴らしいことだし、旧友とは代えがたいものだ。昔をしっている相手にしかできない、理解してもらえない話ってのもある。救われることもきっとあるだろう。飾らない自分。

 

しかし人間って難しくて、かといって変わらないというのも良かったり悪かったり。

とんねるず、なんて悪い見本だ。

ああいう若気の至りみたいな芸はいつまでも続けていると痛々しくなってくる。人間成長はしていかないと。あれを笑っていた昔の自分を疑いたくなってさえくる(笑)

 

昔とある芝居の企画で友人となった人たちを自分の団体を立ち上げる際、久しぶりだが誘ってみた。

参加してくれたのはとっても有り難かった。がその方たちは何一つ成長していなかった。

私は役者としても成長し、団体の運営方法を学び、小さいながらも一国一城の主となった。

あれから何年も経過しているのにその方たちは相変わらず人の企画に乗っかって、ただ言われるがままに演技するだけの人たちだった。

別に年月経ったんだから団体を運営するまで成長しろ、とは言っていない。ただ、演技するだけのところも相変わらず成長していなかったし、何よりガッカリだったのは私に対する敬意が全く見られなかったこと。鈍感力、空気嫁

 

年月を経て私はそれなりの成長を遂げた。もう横一線、対等な立場ではなくなっている。上演台本を書き、演出もしている。かつての横一線の企画に乗っている参加者同士ではないのだ。企画をする側なのだ。

しかし相変わらずの対等な物言いをしてくる。意見さえしてくる。

これは悲しかった。

そしてこちらの感情を読み取ることもせず平然と「楽しかった、また参加したい」と満面の笑顔(笑)

当然縁を切らせてもらった(笑)

 

なんだろう、こういう経験すると諸悪の根源と言われる「天下り」でさえ必要悪だと思えてくる。

なるほど、一人出世させて同期が部下となっても嫉妬も相まって、そのように動いてもらえないからこういう制度が生まれたのか!

 

星野仙一氏が現役を終え即中日の監督に就任した際、大粛清を行ったことがあった。

春のキャンプで「闘志無き者は去れ」と練習でシゴくぞーという意味の檄を飛ばしたらホントにその場から去った選手がいた!

現役時代に練習嫌いで怠惰だった星野氏を知っているので「今さら何言ってるんだ」ということだったんだろう。そのH選手は即トレードに出された(笑)

さらに彼が現役当時主力だったクリーンアップ打っていた選手たちを1名引退させ(代打の切り札にはなっていたがまだ活躍できたはず)2名もその後トレードに出された。

昔を知っている人間がいてはやりにくい、ということだったのだろう。いいか悪いかは別として…

 

人は変わっていくもの。これは仕方がない。自分が成長すれば成長する前の知人が同じ分成長していなければ自分に釣り合いがとれなくなる。これが世の中ってものですね。

 

背伸びはせずあくまで自然体で、悲しい思いをさせるような生き方だけはしたくない。

これまでに会った人にも、これから会う人にも…

 

 

 

 

今さらながら進撃の巨人が面白くなってきた!

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世の中的には鬼滅の刃がブーム(ちょっと落ち着いてきたか)だが、私的にはアニメ版の進撃の巨人がいよいよ佳境に入ってきた、というか作者がほんとうに言いたいことが伝わってきて面白くなってきた。

 

巨人化できる、という特殊能力を持った民族、種族に襲われる人類の話、という発想が面白い、というそれだけのお話かな?それにしてはダラダラ長く続けるな、と思っていた。

しかしそれは作者の狙いだった!

 

長編になれば当然、主人公たちに感情移入するし、いわゆるこちらが「いいもん」であちらが「わるもん」と考える。

しかし今放送しているパート、最終章は敵側が主観となって描かれている。

主人公たちが攻めて来るがそれはテロリスト、悪役として描かれている。ここが素晴らしい。

 

昔のアニメ、特にガンダム以前のロボットものなんてのは子供向けにも程があって、勧善懲悪ものばかり。敵はいわゆる死ね死ね団的な、悪に意味がなかった。あっても地球を征服しようとする異星人とかざっくりしていた。

 

世の中を考えると「よーし、悪事を行うぞー」って考えて運営している国家組織なんてゼロだと思う。

自分たちには道理があって、それを正義と信じ、実行している。

その反対側にはその考えに相容れれない団体なり組織、国家があって衝突する。実際に行われた、いやこれからも行われるであろう戦争の本質を見た気がした。

 

正義対悪、ではなく正義対もうひとつの正義なんだな、と。

 

70話を超えそうな勢いの話だが子供には深く物事を考えさせるために是非見せたほうがいいアニメだ。

こういったその作品の中でアンチテーゼ、主人公の考え、行いはこれでいいのか?と自ら行っているストーリーは優秀な作品が多い。

 

帰ってきたウルトラマンの「怪獣使いと少年」、ウルトラセブンの「ノンマルトの使者」はともに地球人は本当に救うべき価値のある人類なんだろうか?ってすごい問いかけをしている。

 

必殺シリーズの初期作「暗闇仕留人」では主人公がこの仕事は本当に人のためになっているんだろうか、ってだんだん悩んでいくって設定になっている。

 

映画「Looper」なんかもタイムトラベルもののいいところを使って、現在の自分と未来の自分の考え方の違い、ズレ、という方法を使って究極の対立を見せている。自分たった一人でも考えに違いが出て守るべきものが違ってくる。そりゃ全人類ともなりゃ争いが絶えないわけだ(笑)

 

右翼とか左翼とか、とかく対立を好む白黒つけたがる輩たち、自粛警察、マスク警察どもは、こういうの観て世の中を広く見る、深く物事を考える人間になったほうがいいと思う次第。

 

ま、だからといっておおっぴろげにノーガード・ノーマスクで街中出てゴホゴホやってる奴にも反対側の人たちのことをよく考えてみろ、と言いたいんだけどね。

 

コロナで高齢化社会の問題が浮き彫りにされた!

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最初に。

誤解されないように前説したいのだが高齢者社会の福祉負担をどうするこうする、という問題に関する記事ではないことを言っておきたい。

 

全てはここ(敗戦→死刑っ!)から始まった。

壮大な話になるから端折るが日本はアメリカの統治、フリーメイソンイルミナティらによるシビリアンコントロール下に置かれた。

上の者に歯向かえない仕組み、歯向かえないどころか歯向かう思考を持たせないように教育されてしまった。

イケイケどんどんで戦争していた頃の日本人がいいとは決して思わない。寧ろ逆だ。

しかし今の状況はやり過ぎを通り越していかがなもんだと思う。

戦後教育なんて言葉もあった。

昭和前期にアメリカにこうしろ、と言われた仕組みが現在もそのままで施行され続けている。

憲法9条のことはここでは語らない。主題ではないから)

というか、「そうしろ」と命令を出したアメリカ人がそのまま死んじまって誰ももういい、って言わないからそのままになっている、というバカな話。

 

若い方はご存じないでしょうが、昭和後期くらいでは60歳代でもうおじいさん、亡くなるかたも普通にいらっしゃった、という感じ。今の60歳代なんてまだおじさん、という感じだ。

60歳で赤いちゃんちゃんこ着て日本昔話の登場人物のようないでたちにされるが、今の感覚でいうと70歳くらいだろうか。

 

平均寿命・WHO版 

最下位180位 レソト (どこ?多分暗黒大陸のどこかだろうが…)52.9 歳!

江戸時代がこのくらいだったと記憶している。栄養も悪く、50歳代でみんな死んでいたと聞く。なので60歳であの格好、めでたしめでたしだった。

1位  日本 84.2歳。 令和47年!では90歳に届くと予測されている。

長寿が悪いなどというつもりはないし重ねて言うが福利厚生問題を取り上げたいのではない。

 (でも長寿についてちょっとだけ言うと平均寿命ではなく、伸ばして歓迎されるのは健康寿命の方。これは、WHO(世界保健機関)によって提唱された新しい健康指標で「日常生活に制限ない期間の平均」のことで、要は健康を害し不自由なかたちで命だけ延ばしても…ってこと)

 

私が主題にしたいのは、平均寿命が延びたことによって制度、システムが昭和のままなので、あるところではまだ働ける人がお払い箱になり、また逆にあるところではいつまでやってんの?という人がいて引き継ぎできず後継者が育たなかったりしている。

もう10年位寿命が延びて誤差が生じているってのに…

全く相反する問題だから、コレの線引きって非常に難しい。

多分、職人的な技術的職業が前者、政治、国政、法人格の社長など代表職、が後者にあたるだろう。

 

これらの問題は後者でいうと政治家の質、薄さに現れている。

カリスマ性のある田中角栄氏みたいな(昭和の妖怪と言われてはいるが)剛腕な人物など現代にはどこにもいない。

安倍氏、菅氏など、どこかの部長クラスの温和なおっさんかと思う。

わかる。自民党ではダメだ。かといって野党はもっとダメだ。だから投票には行かない、投票率は下がる、あんな体たらくでも自民は安泰。

コロナ禍でさらに浮き彫りにされたよ。右往左往して顔色伺って全て後手後手。

都知事の小池氏なんかは自分の保身ばかりで全く頼りにならない。

はっきり言わせてもらって、そもそもが2020年の春節で中国人が入国するのを何で規制しないの?というところからおかしかったよ!

今、過去を振り返ってじゃなく、昨年リアルタイムでホントそう思っていた。

あそこで入国禁止措置とれていれば安部元総理は英雄として名を残せた。幾ら経済界、中国から猛抗議を受けても国民を守った、と後年教科書に記述されただろうね。

 

危機意識、トップダウンで大英断、それができる人物がいなくなってしまった。

それは、昭和前半で戦争に敗れ、アメリカ(イルミナティら)の傀儡として日本を自分のいいように牛耳ってきた奴らが、それこそ自分が死ぬまで都合のいいように操作し続け、「自分が死んだ後はしらん」と言わんばかりに放ったらかしにして後継者を育てたり教育しなかったからヤバいことになってる。

邪推だが、後継の引継ぎを「しなかった」のではなく「できなかった」の方が正解なのかもしれない。

なぜなら戦後のどさくさ、ヤバいこと、墓場まで持って行かなければいけない事が山ほどあったからではないのだろうか。

例えが悪すぎるが、レイプ犯が自分の子供に「俺って昔レイプ犯だったんだよ」なんて言うか?って(笑) それぐらい戦後のアメリカ(イルミナティか)との約束、密約はヤバいってこと。

 

しかしこれって何も日本側だけの事じゃないと思う。というのは、アメリカも同じようなことになっているように見受けられる。トランプとバイデンって。正直、目糞鼻糞じゃないか?

どっちもどっち。もっとマトモな人っていないのだろうか。

 

小さくショボい例えになるがジャニーズ帝国なんかいい例(悪い例か)

親玉が全て恐怖支配して(独占禁止法に抵触してるっての)すべてを引き継ぎしなかったからあのザマ。ヤバい新興宗教ん所もそうなんじゃないか?一説には親玉は既に死んでてひた隠しにしてるっていうし。

先人が悪事で儲けて仕組みを知られたくないから、それをひた隠しにしてそのまま死ぬ。そんなんだから、世の中が不安な情勢になる。これが各所でいま、起こり始めている。

一部の人間に富が独占できるような仕組みで、その一部の人間に都合がいいようなシステムを続けた結果、そいつが死んだら操縦席にパイロットがいない飛行機に乗ってる状態に世界がなってしまった。

とても恐ろしい。

何が一番恐ろしいかって、殆どの乗客(全人類)がパイロットがいない飛行機に乗っているということ自体を知らないからだ。

 

物は十分に行き渡った。少なくとも日本では。

資本主義という考え方自体限界に来ている。もちろんそのずっと前に共産主義は限界に達した。

なので分け隔てなく、国という境界線を越えて富が十分全員に平等に行き渡る制度、イデオロギーが必要だと思う。

 

そろそろ天才が現れ、それを思いついてくれ!

今更ながら、「砂の器」は超おすすめ映画。ドラマ版はダメ、絶対(笑)

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前回ブログにてカルト映画「幻の湖」を大プッシュしたが結果ディスっちゃた格好にもなってしまったので橋本忍氏はちゃんとした(笑)大仕事もやってのけていることを記述しておきたい(本心から)

 

まず最初に伝えなければならないのは、ドラマ版は観ちゃダメ、絶対w

なぜならうすーいアメリカンどころか年を経るごとに心が一ミリも動かされない仕上がりになってしまってるから。この配役を見て欲しい。

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この今西刑事と犯人の和賀役が映画の核で、勿論役を演じるに足り得る名優(一部違うw)が名を連ねているが、やはり映画版で正解がでてしまっているのでこれ以上演りようがない、といったところか。

人間の厚み、重厚さは何故昔の役者(ミュージシャンなど芸術家全般だが)のが上か、というのは答えが出ている。戦争で死線を潜り抜けているからだ。

兵役だけでなく、民間人も空襲などで死と隣あわせになっていた。こんな経験すると命、人生とかきっと向き合っていると思う。そこから人間の厚みが出るのではないか。平和に暮らせるのは素晴らしいが、そこは今の人間には出せないだろう。

昨今の時代背景もあり、ハンセン氏病が伝染病であるという誤解を招く恐れもあることから原作に変更点があったり、俳優起因でなくつまらなくなる原因もあったりする。

古い映画なので、けっこう若い人は観ていないと思う。ストーリーは解説しないでおこう。

功績を讃えるため一部ネタバレに接する文章があるのでこれから観る方は観たあとで読んでネ。

 

橋本氏が素晴らしかったのは、原作の松本清張氏が仰った通り「原作を超えた」台本を執筆したこと。原作は未読だが、恐らく推理の部分に主眼が置かれ、そのまま映画化したら火サスか土ワイみたいなもので終わったと察せられる(笑)

原作には僅かに説明されている、病気が原因となって浮浪者にならざるをえなかった親子の旅を素晴らしいオーケストラの音楽に乗せるというアイディアをもって映像化させたことだろう。

親子が酷い目に遭う旅の経緯のシーン、ここで音楽のみにしてセリフなしにしたのもいい演出だった。セリフ無くったってどんな酷いことになっているかハッキリわかる映像だったし、何より素晴らしい音楽の邪魔になっただろう。

犯人自身が作曲し演奏する曲のタイトルが「宿命」

生き別れになってしまった子が、曲を演奏し宿命を回顧する中でしか親と再会できない、という発想は素晴らしすぎる。

個人的にだが、観てよかった、と思える映画は人間の生きざま、残酷な心、人として尊敬できる行動、など複雑な人間模様、人間ドラマを見せつけられたとき。

人間なんて善か悪か、なんて単純なもんじゃないからね。

この映画にはそれが十二分に提示されていた。

 

単なるミステリー映画のジャンルとしてではなく、人間ドラマとして描き切ったので後世に伝えられる映画になったのではないだろうか。

 

 

 

今までで一番面白かった映画、それは「幻の湖」!

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映画はホントたくさん観た。その中で一番面白かった映画は何か、と言われればそれは圧倒的に「幻の湖」になるであろう。

感動した、とか素晴らしかった、とかじゃなく、単純に面白い映画、という意味で。

唯一、映画館で笑い過ぎで椅子から転げ落ちてしまった映画。そのくらい破壊力がある。

しかしこの映画は観る人を選ぶ映画。

一番良かった映画は?と聞かれて男性なら「X-メン」女性なら「マンマ・ミーア!」とかいう人は理解できないだろう。

それではどんな話?

いや、私自身も理解できていない。これ何のジャンルなんだろう…

私は面白かったから超一流のコメディー映画だと解釈しているのだが…

世の中ではいわゆるカルト映画、Z級映画といわれている。

一つの作品の中に犬、CIA、スペースシャトル、時代劇、芸能界の裏、マラソンソープランドが全て詰まっている話。

まぁ簡単に言ってしまえば、東宝映画50周年記念作品と冠し、大きく振りかぶって詰め込みすぎで思いっきり失敗した作品なんだが、ツッコミどころが沢山あり、私は勝手に超一流のコメディー映画に昇華させた。

ある名画座で観た。

趣味悪い「トンデモ映画」のオールナイト祭りでだ。いやー一番場内が沸いたね。みんな目が見開けてるお客たちだからウケるウケる。

ツッコミどころを交えて映画を紹介したいと思う。

ここからいわゆるネタバレだから、これから観る予定の人は観てから読んでね。あとはゲテモノは観ないという普通の人も読んでよし(笑)

 

雄琴ソープランド街で「お市」の源氏名で働くソープ嬢が主人公。で、何故かジョギング、マラソンが趣味。まず設定からヘン。

シロっていう小汚い犬(ホントに動物プロの犬?ってくらい愛せない系)を飼っている。でその犬が殺されてしまう。

 

でその犯人捜しから復讐までが物語の本線。

彼氏役が長谷川初範さん。彼女の住む寮にやってくると犬が襲いかかる!なんでや?マジ噛みしようとしていてすごく笑える。

 

そしてデートしている時ショパン(彼氏)似の地蔵を見つける。ドリフのコントかと思った(笑)

 

主人公だというのにこの女性、ジョギング中に他の男性に好意をよせる。

 

しかしジョギング中、道端で横笛吹いている知らない人に話しかけるか?不気味だと思うのだが…

そしてこの男性の職業が宇宙飛行士!(笑)

んなアホな、という展開だが、これがラストの大爆笑の伏線になろうとは。

 

ここで琵琶湖にまつわる悲しい歴史の思い出話になる。時代劇の回想シーンなのだが、普通その部分の尺はあくまで回想シーンなのだからまぁ5分くらいなんじゃないかな?この回想ががっつり20分以上(笑) もう何の映画だったか忘れてしまうくらい(笑)

そして万福丸。説明は割愛するけど、こんな串刺しのされ方あるか?手がヘン(笑)

 

話戻して犬殺しの犯人捜し(の話だったんだ、と我に返る)で同僚のソープ嬢の正体がなぜかCIA職員だったという衝撃の事実が突如ぶっ込まれる!

 

そして突如このセリフ。

こんな謎のセリフ、難度高すぎ。どうやってもお客さんに説得力あるように言えないだろうな…

また、他の同僚にかたせ梨乃さん。

 

彼女の毛皮のコートがまるで殺された犬の柄とかぶっている。衣装さん、ありえないでしょ(笑)

聞き込みが功を奏し、東京の芸能事務所の日夏というのが犯人だと突き止める。

日夏、って名前もひっかかるし、同じく趣味がジョギングってのもヘン。

殺した動機ってのも琵琶湖で仲間とバーベキューしてたら犬が襲ってきたので反撃してド突いた、というもの。

そもそも放し飼いしてた方が悪いんじゃないのかっていう見方も…

 

で、出刃包丁を忍ばせて上京。日夏の事務所で態度悪い受付の女性にキレる様が「んぐー、んぐー」って主人公が包丁見せて唸るので怖面白い(笑)

駒沢公園?でジョギングする日夏に身分を隠し、なぜかジョギングで勝負を挑み得意のマラソンで日夏を「倒れるまで走らせてやる」と決意する。後方から煽り運転(笑) しかし力負けでぶっ千切られてしまう。

失意の中雄琴に戻ってまたソープ嬢をしていると何という偶然か!日夏が客としてソープにっ!

怒りが爆発し出刃包丁を抜く主人公!

驚いて靴も履かず逃げ出す日夏!

そのとき出刃の刃をくるんである紙?布?にSHIROと犬の名が書いてあった。何で?(笑)

そしてこれまた長尺の伝説のマラソンのシーン!

 

アホかというほどただひたすら出刃包丁を持った女がおっさんを追って走っているシーンが延々と続く…

そして!

ついに…ついに日夏に追いつき、あれっ、追い越した。大爆笑!差さねーのかよっ!

 

と思ったらくるっと振り向いてやっぱり刺した(笑)

 

ここまででも相当なのに更にこの刺した直後!

 

スペースシャトルが発射されるっ!

ここで椅子から転げ落ちました。あまりにもの急展開なんで。

 

話は長くなるので割愛しますが、横笛を琵琶湖の上空に置く仕事、それが宇宙パルサー。(何じゃそりゃ)

 

あ然としたままでエンドロールをぼーっと見ていると、ランドウェイ・KT・ジョニー号という犬の名前にまた爆笑。

 

ホント、意表を突かれる、っていうかこれ作った人の頭ってどーなってんだ、って思う。

脚本・監督は橋本忍氏。

そう、羅生門、生きる、砂の器日本沈没、八ッ墓村など綺羅星のごとく名作を輩出している名脚本家。それがなんでこの作品だけ…

彼の名誉のため、逆に「砂の器」は名作だから、次回はそれについても述べたい。

一人くらい「死の商人」ぢゃなくて「生の商人」がいたっていいじゃないか。

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私のはたらく、っていう本質・意義を突き詰めれば、武器を売る「死の商人」の対極にある「生の商人」ということになるだろう。 

武器、弾薬という有形で高額な殺人道具を売るので儲かるいわゆる死の商人と違って、演劇という無形でおぼろげなもので人間に「生きていく」という活力を与える、兵器と比較すれば安価なものを売っているので儲からない。 

 

 はたらく、ということ。 

 

自分が本当にやりたいこと=仕事(生活のために収入を得る、ということ)になっている幸せな人は一体どれくらいいるのだろうか。 

理想:仕事=自分がほんとうにやりたいこと 

現実:仕事=やりたくはないが生きていくために時間を割いて労働力となり収入を得る。  

というところではないか。 

私の仕事の演劇は多くの人は趣味、という位置づけで携わっている。しかし私は承認欲求を満たすためだけに劇団を運営しているわけではないので、いつかはこれだけで生活できるようになりたいし、発足以来、長く続けるために必ず赤字にはならないようにこれまで運営してきた。 

 

「生きる意味とは」「命とは」「人間の本質とは」「善とは、悪とは」 

 

扱うテーマがいわゆる2.5次元モノなどの商業演劇、娯楽作品とはかけ離れているものなので更に商売にはなりにくいジャンルだろう。  

しかし生きていくことに後ろ向きになっている人々の心に私がしてきた仕事たちは必ず届いているはずだし、救いになっている。 

有形のモノを売る時代から無形のモノを売る時代に推移しているようにも思うので時代に選ばれれば注目されるかもしれない。 

これをすることがライフワーク。生きがい、生きている意味だと思う。

はたらくってそういうことなんではないか。  

やりたいことが見つからない、ということを友人などからよく聞く。はたらく意味を見つけられて私は幸せだ。