毒壺

本音。 世の中にこれまで生きて思ったことをここに記す。 重要な事から下らない愚痴まで。

既成台本に久しぶり出演してみて色々思ったので!

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私は小さな演劇団体を主宰し、自団体の脚本家を擁しております。

なので今回コロナ禍で自団体休止中のため他団体に出演することに相成ったわけですが、そこで思ったことを徒然なるままに書いてみたい。

 

まず、なんて自分は恵まれているんだ、という感謝の念。

身びいき、といわれても仕方ないのだが、やはり既成台本に頼る劇団はぶっちゃけ周りにホンを書く人がいないから仕方なく?良作を上演している。

たまたまうちは身内に才能ある脚本家がいたので、旗揚げ以来ずっとオリジナルで上演し続けていられる。

 

今回外部出演した先は既成台本。少し前の作品だが、良作で観客側から見てもわかりやすい作品だと思う。高名な作家の作品だが20代の時書かれたもので、正直、自団体の作家が書いた作品のがよかった。

これは如何ともしがたいもので、ハートにどれだけグッとくるか、とでしか言いようがない、表現のしようがないものなので、自団体の作品より熱量、パッションを持ってできなかった。(決して手を抜いたということではない)

 

偶然だが面白いことがあった。

既成台本のオリジナル団体がまさに、その作品を再演することに。参加している団体が公演する2週間前。これは滅多にない機会、面白い体験だと思いオリジナルを拝見させてもらった。(決して演技をパクろうと思ったわけぢゃないぞ)

恐らくこんなこと今後はないであろう。ダブキャスではなく、あくまで他団体、他の演出家がやっている同じ台本の作品(笑)

感想から言うと、演出家が違うと、こうも違うのかと思った。(どちらが良い、という意味ではなく)オリジナルの劇団は明るくコミカル調。あと人気劇団ということもありアットホームな空気の中でファンを楽しませなきゃ、という自負もあってあんな感じなのかなぁ、と見受けられた。実際結構ウケていたし。

参加団体。これがまぁバリバリの新劇の演出家なんで割と台本を真面目に捉えていてトーンとしては落ち着いている。同じ小屋で2団体見比べたらあべこべに参加団体がオリジナル劇団に見えるだろう。

逆にオリジナル劇団の方が台本をくずしてフランクに演っているコピー劇団に見えた(笑)

 

役にしても勉強になった。これはこういう作りしかありえないだろう、という役(あきらかな悪役など)は同じキャラの方がどちらも同じテイストで演じていたが、ヒロインとか全然違った方が演ってらっしゃってて、作品のテイストがこんなに変わるものなんだなぁと感じた。

たまたま、解釈によって笑える話ともとれるし、そう考えられない問題提起な話ともとれる作品だったのでこんなに色がかわるのか。

 

観劇中、自分の役を追っていてヘンな感じがした。本番2週間前ということもあり頭の中に全て完璧に台詞が入っている状態での観劇(笑)

こんなケースは普通ありえない。公演を途中でクビ、或いは怪我なりで降板になった役者でなければ…不思議な感じ。

とても客観的に物語を追えて、あぁ、こういう立ち位置でこう見えるのか、と大変勉強になった。

 

兎にも角にも、早くコロナが収束し、自団体の活動を早く再開させたいと思う今日この頃。