私のはたらく、っていう本質・意義を突き詰めれば、武器を売る「死の商人」の対極にある「生の商人」ということになるだろう。
武器、弾薬という有形で高額な殺人道具を売るので儲かるいわゆる死の商人と違って、演劇という無形でおぼろげなもので人間に「生きていく」という活力を与える、兵器と比較すれば安価なものを売っているので儲からない。
はたらく、ということ。
自分が本当にやりたいこと=仕事(生活のために収入を得る、ということ)になっている幸せな人は一体どれくらいいるのだろうか。
理想:仕事=自分がほんとうにやりたいこと
現実:仕事=やりたくはないが生きていくために時間を割いて労働力となり収入を得る。
というところではないか。
私の仕事の演劇は多くの人は趣味、という位置づけで携わっている。しかし私は承認欲求を満たすためだけに劇団を運営しているわけではないので、いつかはこれだけで生活できるようになりたいし、発足以来、長く続けるために必ず赤字にはならないようにこれまで運営してきた。
「生きる意味とは」「命とは」「人間の本質とは」「善とは、悪とは」
扱うテーマがいわゆる2.5次元モノなどの商業演劇、娯楽作品とはかけ離れているものなので更に商売にはなりにくいジャンルだろう。
しかし生きていくことに後ろ向きになっている人々の心に私がしてきた仕事たちは必ず届いているはずだし、救いになっている。
有形のモノを売る時代から無形のモノを売る時代に推移しているようにも思うので時代に選ばれれば注目されるかもしれない。
これをすることがライフワーク。生きがい、生きている意味だと思う。
はたらくってそういうことなんではないか。
やりたいことが見つからない、ということを友人などからよく聞く。はたらく意味を見つけられて私は幸せだ。