毒壺

本音。 世の中にこれまで生きて思ったことをここに記す。 重要な事から下らない愚痴まで。

今までで一番面白かった映画、それは「幻の湖」!

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映画はホントたくさん観た。その中で一番面白かった映画は何か、と言われればそれは圧倒的に「幻の湖」になるであろう。

感動した、とか素晴らしかった、とかじゃなく、単純に面白い映画、という意味で。

唯一、映画館で笑い過ぎで椅子から転げ落ちてしまった映画。そのくらい破壊力がある。

しかしこの映画は観る人を選ぶ映画。

一番良かった映画は?と聞かれて男性なら「X-メン」女性なら「マンマ・ミーア!」とかいう人は理解できないだろう。

それではどんな話?

いや、私自身も理解できていない。これ何のジャンルなんだろう…

私は面白かったから超一流のコメディー映画だと解釈しているのだが…

世の中ではいわゆるカルト映画、Z級映画といわれている。

一つの作品の中に犬、CIA、スペースシャトル、時代劇、芸能界の裏、マラソンソープランドが全て詰まっている話。

まぁ簡単に言ってしまえば、東宝映画50周年記念作品と冠し、大きく振りかぶって詰め込みすぎで思いっきり失敗した作品なんだが、ツッコミどころが沢山あり、私は勝手に超一流のコメディー映画に昇華させた。

ある名画座で観た。

趣味悪い「トンデモ映画」のオールナイト祭りでだ。いやー一番場内が沸いたね。みんな目が見開けてるお客たちだからウケるウケる。

ツッコミどころを交えて映画を紹介したいと思う。

ここからいわゆるネタバレだから、これから観る予定の人は観てから読んでね。あとはゲテモノは観ないという普通の人も読んでよし(笑)

 

雄琴ソープランド街で「お市」の源氏名で働くソープ嬢が主人公。で、何故かジョギング、マラソンが趣味。まず設定からヘン。

シロっていう小汚い犬(ホントに動物プロの犬?ってくらい愛せない系)を飼っている。でその犬が殺されてしまう。

 

でその犯人捜しから復讐までが物語の本線。

彼氏役が長谷川初範さん。彼女の住む寮にやってくると犬が襲いかかる!なんでや?マジ噛みしようとしていてすごく笑える。

 

そしてデートしている時ショパン(彼氏)似の地蔵を見つける。ドリフのコントかと思った(笑)

 

主人公だというのにこの女性、ジョギング中に他の男性に好意をよせる。

 

しかしジョギング中、道端で横笛吹いている知らない人に話しかけるか?不気味だと思うのだが…

そしてこの男性の職業が宇宙飛行士!(笑)

んなアホな、という展開だが、これがラストの大爆笑の伏線になろうとは。

 

ここで琵琶湖にまつわる悲しい歴史の思い出話になる。時代劇の回想シーンなのだが、普通その部分の尺はあくまで回想シーンなのだからまぁ5分くらいなんじゃないかな?この回想ががっつり20分以上(笑) もう何の映画だったか忘れてしまうくらい(笑)

そして万福丸。説明は割愛するけど、こんな串刺しのされ方あるか?手がヘン(笑)

 

話戻して犬殺しの犯人捜し(の話だったんだ、と我に返る)で同僚のソープ嬢の正体がなぜかCIA職員だったという衝撃の事実が突如ぶっ込まれる!

 

そして突如このセリフ。

こんな謎のセリフ、難度高すぎ。どうやってもお客さんに説得力あるように言えないだろうな…

また、他の同僚にかたせ梨乃さん。

 

彼女の毛皮のコートがまるで殺された犬の柄とかぶっている。衣装さん、ありえないでしょ(笑)

聞き込みが功を奏し、東京の芸能事務所の日夏というのが犯人だと突き止める。

日夏、って名前もひっかかるし、同じく趣味がジョギングってのもヘン。

殺した動機ってのも琵琶湖で仲間とバーベキューしてたら犬が襲ってきたので反撃してド突いた、というもの。

そもそも放し飼いしてた方が悪いんじゃないのかっていう見方も…

 

で、出刃包丁を忍ばせて上京。日夏の事務所で態度悪い受付の女性にキレる様が「んぐー、んぐー」って主人公が包丁見せて唸るので怖面白い(笑)

駒沢公園?でジョギングする日夏に身分を隠し、なぜかジョギングで勝負を挑み得意のマラソンで日夏を「倒れるまで走らせてやる」と決意する。後方から煽り運転(笑) しかし力負けでぶっ千切られてしまう。

失意の中雄琴に戻ってまたソープ嬢をしていると何という偶然か!日夏が客としてソープにっ!

怒りが爆発し出刃包丁を抜く主人公!

驚いて靴も履かず逃げ出す日夏!

そのとき出刃の刃をくるんである紙?布?にSHIROと犬の名が書いてあった。何で?(笑)

そしてこれまた長尺の伝説のマラソンのシーン!

 

アホかというほどただひたすら出刃包丁を持った女がおっさんを追って走っているシーンが延々と続く…

そして!

ついに…ついに日夏に追いつき、あれっ、追い越した。大爆笑!差さねーのかよっ!

 

と思ったらくるっと振り向いてやっぱり刺した(笑)

 

ここまででも相当なのに更にこの刺した直後!

 

スペースシャトルが発射されるっ!

ここで椅子から転げ落ちました。あまりにもの急展開なんで。

 

話は長くなるので割愛しますが、横笛を琵琶湖の上空に置く仕事、それが宇宙パルサー。(何じゃそりゃ)

 

あ然としたままでエンドロールをぼーっと見ていると、ランドウェイ・KT・ジョニー号という犬の名前にまた爆笑。

 

ホント、意表を突かれる、っていうかこれ作った人の頭ってどーなってんだ、って思う。

脚本・監督は橋本忍氏。

そう、羅生門、生きる、砂の器日本沈没、八ッ墓村など綺羅星のごとく名作を輩出している名脚本家。それがなんでこの作品だけ…

彼の名誉のため、逆に「砂の器」は名作だから、次回はそれについても述べたい。

一人くらい「死の商人」ぢゃなくて「生の商人」がいたっていいじゃないか。

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私のはたらく、っていう本質・意義を突き詰めれば、武器を売る「死の商人」の対極にある「生の商人」ということになるだろう。 

武器、弾薬という有形で高額な殺人道具を売るので儲かるいわゆる死の商人と違って、演劇という無形でおぼろげなもので人間に「生きていく」という活力を与える、兵器と比較すれば安価なものを売っているので儲からない。 

 

 はたらく、ということ。 

 

自分が本当にやりたいこと=仕事(生活のために収入を得る、ということ)になっている幸せな人は一体どれくらいいるのだろうか。 

理想:仕事=自分がほんとうにやりたいこと 

現実:仕事=やりたくはないが生きていくために時間を割いて労働力となり収入を得る。  

というところではないか。 

私の仕事の演劇は多くの人は趣味、という位置づけで携わっている。しかし私は承認欲求を満たすためだけに劇団を運営しているわけではないので、いつかはこれだけで生活できるようになりたいし、発足以来、長く続けるために必ず赤字にはならないようにこれまで運営してきた。 

 

「生きる意味とは」「命とは」「人間の本質とは」「善とは、悪とは」 

 

扱うテーマがいわゆる2.5次元モノなどの商業演劇、娯楽作品とはかけ離れているものなので更に商売にはなりにくいジャンルだろう。  

しかし生きていくことに後ろ向きになっている人々の心に私がしてきた仕事たちは必ず届いているはずだし、救いになっている。 

有形のモノを売る時代から無形のモノを売る時代に推移しているようにも思うので時代に選ばれれば注目されるかもしれない。 

これをすることがライフワーク。生きがい、生きている意味だと思う。

はたらくってそういうことなんではないか。  

やりたいことが見つからない、ということを友人などからよく聞く。はたらく意味を見つけられて私は幸せだ。

勝負曲にふさわしい超ポジティブソング

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私は劇団を主宰しており、公演の度、毎回お客様を入れて劇を始める直前に劇団のテーマ曲、といいましょうか、位置づけて必ず流している曲がありまして。SEAMOのContinue。

役者を鼓舞するのと、お客様にもぜひ聞いてもらいたい超ポジティブな歌詞だからです。そして曲の元ネタがクラシックの威風堂々。なもんで演劇の幕明けにめゃくちゃマッチするんですよこれが。

私的に、ですけど、お客様との勝負、駆け引きは劇が始まる前から始まっていて、普通小劇場は開演30分前にお客様を受付開始します。開演までの間、上演戯曲に合う雰囲気に合ったBGMを流しています。できるだけフラットに芝居を観ていただけるように。で、最後の曲にContinue。

「負けたら終わりじゃなくてやめたら終わりなんだよね
どんな夢でもかなえる魔法それは続けること
苦しみ悲しみその先見える光自分の道
ずっとずっとコンティニュー」

歌詞もものすごく勇気付けられる。お客様もこの曲嫌い、という人はいないんじゃないかな?だから開演前に流しているし、今んとこ8年続けられている。

今こんなご時世で演劇の公演やるってだけで白い目で見られる。先の見えない状態でこんな凹む状況にあっても止めたら終わりだ、って曲に勇気づけられています。

座付きの作家もこの曲に負けないような台本を書く、とあらぬところにもいい影響が出ていたり(笑)

だけどひとつだけ困ったことが。

パブロフの犬じゃないけど、この曲が普通に街中とかで流れていると、急にものすごく緊張しちゃいます(笑)

必要ないとこで舞台出演前の緊迫感が走るっていうか、ヘンなとこでスイッチが入れられちゃいます。これだけが…

 

 

恋愛って意識していない時のがうまくいくよねっ!

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たまには毒のないお話を…

恋愛・失恋の対処法?何かのヒントになればと思って…

 

恋愛、異性とのつきあい…結構めんどいよね。

けっこう傷つくこと多いし…

でも、出会い、別れを通して人間として一回り大きく成長していくから必要なんだと思う。

私は人間としてとっても未熟だったんで、別れという大きな代償を支払って、自分のダメなとこに気付かされて、よりマトモ?になっていったよ。

若い時はとにかくわがままだった。

今から考えるとホント、子供だったなー。

相手の都合なんかお構いなし、とにかく自分の気持ちばかり優先させてた。

学生の時、相手が社会人の人と付き合っていたんだけど迷惑かけたなぁ。その人とは2年半も付き合ったんだけど倦怠期が来ちゃって、二人とも若かったんでそのこと知らなくってお互い、もう好きじゃないって思いはじめて別れちゃったな。

 

恋愛で付き合う、結婚ってタイミングだと思う。

回転寿司で寿司がお皿に乗って回ってくるでしょ?で、それに手を出せば自分のとこに。見送ればそのままどっか行っちゃう。他人のものになっちゃう。まさに千載一遇?ちがうか。一期一会。

ま、自分が手を伸ばすお客さんか、手を出してもらう寿司なのかは人によってケースバイケースなんだけどね。

 

経験から、だけど異性のことばかり意識してモテたいモテたいってやってた時よりも、何かに没頭して恋愛以外が充実しているときのがモテ期に入るんだよなぁ、何故か。

どんな形であれ例えば仕事なんかしっかりやってる=世の中への貢献=幸運のポイントが蓄積される、からかなぁなんて勝手に考えてる。

 

例の2年半付き合って別れたあとって何か虚無感っていうか、それなりに二人だけの思い出があって、かなりの喪失感からさすがに辛くて辛くて、何かの抜け殻のように生活してたなぁ。

一年も経ったころかな、これじゃいけない、ってことである劇団に入ってお芝居に没頭することにした。邪念がない、っていうかエアポケットというか、おかげでみるみる上達していった。同期で入った中でたぶんその劇団では一番になれたんじゃないかな?

 

何かに没頭すると輝いて見えるのか、異性に懲りてってわけじゃないけど恋愛のこと全く考えていない時期だったんだけど、モテだした。不思議な経験だった。

これまでの自分と違って人に対して思いやりを持てたり、決して外見だけじゃなく、内面的に成長したからなのかなぁって…今思うと。

 

当時、あれだけ失恋の後遺症、反動があって乗り越えられないんじゃないかって思った先にはモテ期があったり、結局その後もっといい人に出会ったり、(当然ヘンなひとにも遭遇するけどねっ)ここでは言えないけど、当時売れてなくて今有名人のマンガ家に告白されたり(笑)

 

心機一転東京に上京したのもあって世界が一変した。当時のあの喪失感はなんだったんだろう…って。小さな世界に閉じこもって外の世界に気付かなかった。こんな素晴らしい出逢いがあることを。

正直、失恋した当時、これ以上の人とは出会えない、なんて後悔してたけど今はその人と一緒にならなくてよかったって思ってる。(ゴメンね。ペロッ)

 

私は、いわゆる「別れた相手を後悔させてやるっ」なんて全然思わなかったし、その人を忘れるために無理に別の人とも付き合わなかった。この二つはやらない方がいいと思う。ただただ自然に任せて打ちひしがれた時は無理せずそのまま時に身を任せたね。自分を大事に。自分に思いやりを持ってあげないと誰が思いやってくれるの?

 

友達にも相談したことあったけど、何の解決にもならなかった。

相手の親友にも相談したけど、私とつきあいたい。なんてトンチンカンなこと言われたこともあったし(笑)

時間が解決してくれる、ってまさにそうだよ。んでまず自分を磨くことから。恋愛以外が充実してればそのうち恋愛も充実してくるから。マイナスな感情でなくポジティブに生きていればきっと恋愛運も向いてくると思うよ。

 

経験だけど、何かしら内面で充実していないと、いい人も寄ってこないし、いい人を見つける選球眼もないとね♡

 

20代のときはそれこそイケイケどんどんみたいに恋愛してて、とにかく自分のタイプの人!ってやってたけどそのうち受け身になっていった。

で結婚した人は最後に私に告白してきた人でした。

客演してみて劇団の運営はどこも大変なんだなって心底思った(笑)

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公演も終わったので、演劇関係の内容が続いたが、このシリーズもこれで終了です。

 

私は劇団を主宰していますが、コロナ禍で公演などできるはずもなく、他団体はどんな感じかなって偵察がてら客演することにしたわけです。

いやはや劇団、演劇自体がオワコンでそれだけに未だ続けている団体ってのは運営が大変!

まぁ私はそれでも心の赴くままにっていうか、演劇活動に携わると心が洗われる感じがして、それは他では味わえない感覚なので、それで続けている。

 

で、その運営、というか芝居作り、ですよ。

ウチとの一番の相違だったのは厳しく演出しているかそうでないか。

ここはとっても難しいところ。名門といわれる新劇劇団出の演出家なのでとっても厳しく指導されていた。ときに演技の出来が悪いときは怒号が飛び交っていた。あと若い俳優は礼儀がなっていない方もいらっしゃり、それについても厳しく指導されていた。

 

ウチは全く逆。

高いレベルでの演出となるとホンのちょっとした間、大事な台詞となると単なる台詞回し、言い方だけでなく、ちゃんと内容を理解し、心に落とし込んで喋っているかどうか、そこまで求められる。

ウチは演者がここまでは出来ないだろうと半分諦めもあって妥協している。

礼儀に関しても、うちはユニットという形をとっている以上、参加者の俳優たちは所詮手駒ではないんで何も指導していない。

厳しくすると劇自体は締まって良く見えるがその座組(演劇を作るチームのことね)の雰囲気が最悪になる。実際、参加した団体は最悪だった。険悪な雰囲気。

 

一方うちはそれなりの関係者が劇をみたら作りが甘い、演出が甘い、と評されるだろう。

しかしウチはほぼ、現場の雰囲気は毎回いい感じで制作できている。チームワークができ、演出では出せない一体感が生まれる。チームとしてのまとまり。

このバランスなんだろうが本当ムズいと思う。どちらを優先するか。

 

そりゃマジにメンバー全員がプロで作ったら和気あいあいの雰囲気でも高いクオリティのものが出せるだろうが、一般から募集するとなると、要は売れてない俳優(或いはこれからの俳優)たちが集まってくるのでそうはいかない。

ウチとは対局で運営している団体を今回見たわけだが、やはりウチはこれまでのやり方でいいかなと思った。今回の団体は和気あいあいを一切排除。楽日迎えても集合写真すら撮らない。打ち上げは行ったがなんとなく漂うシラけた感じ。これはさすがにどうかなと思った。

 

演出も千差万別だなって思った。

演技をリアルに見せようとしていたところはウチと一緒だった。

若手劇団なんかに多いが、スタジオ公演、小さな小屋での公演だってのにやたらとデカい声でまくしたてる。頑張ってるところ見てほしいんだろうね。だけど客としたらウザいったらありゃしない(笑)

そこはリアルな声量で映像演技みたいに演っていたのはよかった。

ここの演出家はスピードを重視していた。私としては丁寧に芝居をしてるつもりだったが、物語前半は設定説明みたいなもんだから芝居を捨てていかないと。後半重要なところをその分丁寧に演って、とダメ出しされた。

演出家によっては早く台詞、演技を回すと「芝居が雑、芝居が流れてるよ」とダメが来る。

要は解釈、演出手法が違い、ここは慣れた演出じゃないと特徴が掴めず戸惑った。

 

うちもある程度スピードは重視している。なんせ芝居で持たせられる役者の参戦なんて期待できないから、もったり演られるとクサくてクサくて(笑) 本人芝居に酔っているのに気付いてもいないし…

ただ、あそこまでスピード出すと私は不自然に思えた。

芝居、もっというと会話はグルーヴ感っていうのかなぁ、自然なリズム、流れをウチは重視していて、観ているお客さまがまるで立ち話を聞いているみたいな錯覚を起こさせるまで行けたら成功!と思ってるんで。

 

これが解らない役者が多くて困る。単調リズムでお客さんが眠くなるような台詞回しする奴。

ひとつ特徴があって、オンチなヤツってのは大体ダメだったね。これまでの統計上、ほぼ100%グルーヴ感を持ってなかった。

 

まぁそのグルーヴ感ってのにも関係してくるんだけど、演出で技術的にガチガチに固められて役者たちの本心は「楽しくないなぁ」って思って演じていて、いいグル-ヴ感は生まれず機械的に作られたスピードだけが残るんだなぁと今回体感した。どうしてもやらされてる感が滲み出る。

 

多少(かなりかも)演技に雑味は残るが、気分よくリラックスして演じてもらった方がリアルなグルーヴ感が生まれるのでこれまでの運営に間違いはないな、と思った訳でして。

 

既成台本に久しぶり出演してみて色々思ったので!

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私は小さな演劇団体を主宰し、自団体の脚本家を擁しております。

なので今回コロナ禍で自団体休止中のため他団体に出演することに相成ったわけですが、そこで思ったことを徒然なるままに書いてみたい。

 

まず、なんて自分は恵まれているんだ、という感謝の念。

身びいき、といわれても仕方ないのだが、やはり既成台本に頼る劇団はぶっちゃけ周りにホンを書く人がいないから仕方なく?良作を上演している。

たまたまうちは身内に才能ある脚本家がいたので、旗揚げ以来ずっとオリジナルで上演し続けていられる。

 

今回外部出演した先は既成台本。少し前の作品だが、良作で観客側から見てもわかりやすい作品だと思う。高名な作家の作品だが20代の時書かれたもので、正直、自団体の作家が書いた作品のがよかった。

これは如何ともしがたいもので、ハートにどれだけグッとくるか、とでしか言いようがない、表現のしようがないものなので、自団体の作品より熱量、パッションを持ってできなかった。(決して手を抜いたということではない)

 

偶然だが面白いことがあった。

既成台本のオリジナル団体がまさに、その作品を再演することに。参加している団体が公演する2週間前。これは滅多にない機会、面白い体験だと思いオリジナルを拝見させてもらった。(決して演技をパクろうと思ったわけぢゃないぞ)

恐らくこんなこと今後はないであろう。ダブキャスではなく、あくまで他団体、他の演出家がやっている同じ台本の作品(笑)

感想から言うと、演出家が違うと、こうも違うのかと思った。(どちらが良い、という意味ではなく)オリジナルの劇団は明るくコミカル調。あと人気劇団ということもありアットホームな空気の中でファンを楽しませなきゃ、という自負もあってあんな感じなのかなぁ、と見受けられた。実際結構ウケていたし。

参加団体。これがまぁバリバリの新劇の演出家なんで割と台本を真面目に捉えていてトーンとしては落ち着いている。同じ小屋で2団体見比べたらあべこべに参加団体がオリジナル劇団に見えるだろう。

逆にオリジナル劇団の方が台本をくずしてフランクに演っているコピー劇団に見えた(笑)

 

役にしても勉強になった。これはこういう作りしかありえないだろう、という役(あきらかな悪役など)は同じキャラの方がどちらも同じテイストで演じていたが、ヒロインとか全然違った方が演ってらっしゃってて、作品のテイストがこんなに変わるものなんだなぁと感じた。

たまたま、解釈によって笑える話ともとれるし、そう考えられない問題提起な話ともとれる作品だったのでこんなに色がかわるのか。

 

観劇中、自分の役を追っていてヘンな感じがした。本番2週間前ということもあり頭の中に全て完璧に台詞が入っている状態での観劇(笑)

こんなケースは普通ありえない。公演を途中でクビ、或いは怪我なりで降板になった役者でなければ…不思議な感じ。

とても客観的に物語を追えて、あぁ、こういう立ち位置でこう見えるのか、と大変勉強になった。

 

兎にも角にも、早くコロナが収束し、自団体の活動を早く再開させたいと思う今日この頃。

 

 

気持ちを共有するために下北に飲み見行く。

下北沢のとある店。

よくそこへビールを飲みに私は行く。

しかし、何で演劇関係者は皆、ビール好きなんだろうかねぇ?不思議と皆ビールを飲んでいる(笑)

私も演劇関係者の末席にいる者ですが、やはりビール好き。

で、演劇関係者だらけ(笑)の店があって、そこで繰り広げられる業界裏話、愚痴、悩みなどを肴にスタウトを飲む。

演出家がこのシーンをすっと流したいんだがどうしても役者が湿っぽくじっくりと演ってしまうだとか、ある役者が噂程の技術を持っていなかっただとか。逆に出演者仲間だろうか、あの演出は納得いかないだとか、台詞の解釈が間違ってるだとか、演出家の悪口大会(笑)。

まぁ、そこで聞き耳を立てているだけなのだが、私の仕事のストレス発散は、この同業者たちが放った愚痴たちを聞き、悩んでいるのは私だけじゃない、皆同じようなことで不満があるんだなぁと知って、そのモヤモヤををスタウトで流す、ってことかな。

だからそこは私には無くてはならない場所。もう仕事場の一つとして組み込まなければならない場所。ビールのお陰で本音が出せるんですよねぇ。